HISTORY
チャート研究所のなりたち

チャート式は、大正の末期、京都の地に設立された数学研究社高等予備校の講義を通じて生まれました。
現在のチャート式参考書の起源ともいえる「チャート式 代数学」「チャート式 幾何学」がその出版部門である数学研究社から出版されたのは、昭和4年(1929年)のことです。

数学研究社から発行された、
戦前のチャート式参考書

  • 数学研究社から発行された、戦前のチャート式参考書
  • 数学研究社から発行された、戦前のチャート式参考書

太平洋戦争の激化により、チャート式の発行は一時的に途絶えましたが、昭和27年(1952年)、現在の数研出版が誕生し、当時の教育制度に基づく数学のチャート式参考書が復活します。

チャート研究所の設立

戦後復活した数学のチャート式参考書は、多くの読者に支えられながら、学習環境の変化とともに、大きな広がりを見せていきます。
それまでのチャート式(赤チャート)に加え、昭和39年(1964年)には、「チャート式 基礎からの」シリーズ(青チャート)が発行され、その後、「チャート式 解法と演習」シリーズ(黄チャート)、「チャート式 基礎と演習」シリーズ(白チャート)が次々と発行されていきます。
多様化する教育界において、普遍的なチャート式システムと時代に合ったチャート式をともに見出していくには、たゆまぬ研究と、その結果に基づくアイディアの実現が不可欠です。
このことは数学に限った話ではありません。その必要性を強く感じた私たちは、昭和53年(1978年)12月にチャート研究所を設立して、数研出版から独立をします。
そして、現在に至るまで、より完成度の高いチャート式参考書を実現する編集・研究開発機関として、数研出版グループの発展には欠かせない存在となっています。

英語科の参考書と
チャート研究所

設立と時期を合わせるように、英語の参考書である「チャート式シリーズ 基礎と研究 新英語」をチャート研究所で制作しました。
数学のチャート式で培われた図解による解説等を、英語にも積極的に取り入れることで、英語の参考書に新しい風を吹き込んでいきます。
昭和62年(1987年)発行の「基礎からの新総合英語」は、詳しくかつ理解しやすい文法参考書として大ベストセラーを記録し、チャート式は、高等学校の英語科における地位を確固たるものにします。
その後も、「DUALSCOPE 総合英語」、「ビッグディッパー 高校英語」、「アースライズ 総合英語」等、様々な参考書を発行して、英語の参考書もチャート式、と言われるまでに成長をしました。
チャート研究所の英語教育に対する深い研究と実践は、その後、数研出版から発行される、英語教科書の実現へとつながっていきます。

新総英表紙画像

東京研究所・横浜研究所
の設立

京都に設立されたチャート研究所ですが、平成15年(2003年)には東京にも研究所を設け、京都研究所とともに、数学のチャート式参考書の編集を担うことになります。
その結果、赤・青・黄・白の各シリーズは、日常学習から大学受験に至るあらゆる場面で最も役に立つ参考書として、更に多くの読者から支持を得るようになります。
自学自習に役立つ解答編の充実や、デジタル機器の発達を踏まえた動画の制作などは創意工夫の一例であり、これらは、その時代にあったチャート式を研究し続けた結果ともいえるものです。
また、平成19年(2007年)4月には横浜にも拠点を設け、京都研究所とともに英語教材の編集を行うようになります。
これにより、英語も数学と同様、首都圏における活動がより活発なものとなりました。
著者陣も充実し、研究・開発の基盤となる調査活動も関東圏全体に広がっていきます。
横浜研究所から生まれた文法・スピーキング・共通テスト対策等の教材は好評を博し、高等学校の英語教育におけるチャート研究所の役割は、ますます大きなものとなりました。

チャート式の参考書は、およそ100年も前、伝統に彩られた京都の街に誕生しました。
チャート式が、チャート式であり続けるためには、変えていくことと、変えてはいけないことがあります。
チャート研究所は、普遍的なチャート式システムと時代に合ったチャート式を常に研究し、時代をリードする学習教材のあるべき姿を追求することで、数研出版とともに発展・成長を続けています。